明治大学、神戸大学、理化学研究所および（株）ユーグレナは、真核微細藻類ユーグレナにより、糖を使わないバイオコハク酸（バイオプラスチック原料）生産に成功したと発表した。今回、研究グループは、ユーグレナの一種（Euglena gracilis）が暗・嫌気条件下でコハク酸などの有機酸を細胞外に放出することを発見し、産出するコハク酸量が、嫌気培養の条件（培地・培養液の種類、炭素源の添加）により増減することを確認した。一方、明・好気条件でユーグレナ細胞を窒素欠乏状態にした後に暗・嫌気条件にすると、ユーグレナのコハク酸生産量は通常培養時の約70倍の869.6mg/Lに達し、グルコースが存在した場合、ユーグレナが乳酸を放出することも確認した。今回の成果は、石油からの合成や発酵とは異なる新たな有機酸生産技術の発展に貢献し、二酸化炭素の吸収・利用による物質生産システムの社会実装などに寄与するものであるという。