（株）リコー、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構（農研機構）、（株）ファスマックは、バイオプリンティング技術という技術を用いて、新しいDNA標準物質を製造することが可能になったと発表した。遺伝子検査の手法のひとつ「ポリメラーゼ連鎖反応（PCR）」は、DNA分子検出の感度が高く、遺伝子組換え食品やがん・感染症の検査などに幅広く用いられている。しかし、DNA分子の数を個数単位で制御できる標準物質（遺伝子検査装置および試薬の精度管理に使用する物質）を製造することはできなかった。今回研究グループは、バイオプリンティング（インクジェット技術の応用により、細胞を安定的に吐出できるヘッドおよび、吐出した液滴中の細胞数をカウントする技術）の開発を進め、その結果、特定のDNAを検出する遺伝子検査用の標準物質の製造が可能になり、検査をより確実なものにすることができたという。今回の成果は、遺伝子組換え食品検査の精度向上や、がん・感染症の見逃し防止などにつながることが期待できるという。