JAMSTEC、温暖化を促進/緩和させる大気中炭素性エアロゾルの化石燃料由来の割合を分析
発表日:2019.10.07
(国研)海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、中国科学院大気物理研究所と共同で、福江島(長崎県五島市)で採取した大気エアロゾル(大気中に浮遊する粒子)試料から、すす粒子(ブラックカーボン/BC)および有機炭素(OC)について分析した。BCはCO2やメタンと並び地球温暖化を促進させる。一方、OCは温暖化を緩和(寒冷化を促進)する。JAMSTECは、採取した試料に対して高度な化学分析を適用し、得られた放射性炭素同位体比などの情報と、気象・衛星データの解析などを組み合わせて、炭素性エアロゾルの発生・生成源を追求した。その結果、BCは観測期間中の平均で化石燃料を発生源とする割合が約9割、OCは化石燃料以外にも自然起源(陸域植生や海洋)に由来する成分も半分程度寄与していることが明らかとなった。今回の研究成果は、化石燃料の使用を抑制しても、自然起源のOCは影響を受けないため、その地球温暖化の緩和効果が継続する可能性を示すものであるという。