兵庫医科大、父親の化学物質ばく露と男児の出生割合に関する知見を発表
発表日:2019.12.24
兵庫医科大学は、父親の化学物質ばく露が「子どもの性比」と関連する可能性を示す、疫学的な解析結果を発表した。日本や他の先進国では、出生女児に対する出生男児の比率が減少傾向にあると報告されている。今回、同大学は、国立環境研究所などが10万組の親子を対象に実施している大規模な疫学調査「子どもの健康と環境に関する全国調査(愛称:エコチル調査)」データのうち、妊娠中の両親に対する質問票に有効な回答が記入されており、産科医師による医療記録が整っている親子データ(男児・女児50,283名分)を用いて、父親の化学物質への「職業性ばく露」と出生児の性比を疫学的な手法により解析した。その結果、パートナーの妊娠前に、殺虫剤を週1回以上使用した父親(群)は男児の割合が低く、使用しなかった父親(群)の0.86になるという統計学的に有意な結果となった。一方、今回の研究では、水銀や放射線を使用する職に就いていた父親(群)と男児の出生割合の関連性は認められなかったという。