OISTなど、西太平洋に分布するアコヤガイの遺伝的多様性を解明
発表日:2020.01.10
沖縄科学技術大学院大学(OIST)は、(国研)水産研究・教育機構、三重県農林水産部と共に、西太平洋にある「アコヤガイ(学名:Pinctada fucata)」個体群の遺伝的・地理的な差異を解明したと発表した。真珠養殖の母貝として活用されているアコヤガイについては、遺伝学的、進化論的な観点において未解明な点が多かったことから、同大学が中心となり同種のゲノム解読が行われた(Takeuchi, T. et al., 2012)。今回、農研機構・生研支援センターの革新的技術開発・緊急展開事業(先導プロジェクト)の一環として、日本、中国、ミャンマーおよびカンボジアで採取されたアコヤガイ凍結標本の一塩基多型(SNP)を分析し、ばらつきのある約200個体のSNPデータを2次元に整理したところ、1)日本の本州・四国・九州、2)日本の南西諸島・中国・カンボジア、3)鹿児島県上甑島および4)ミャンマーの集団に区分できることが分かった。1)と2)は遺伝的に分岐したもので、南西諸島の集団や3)と4)の遺伝的な差異は海水温などの環境要因との関係性を説明できるという。
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