国際農研など、オイルパーム古木の炭水化物量を決定する環境要因などを特定
発表日:2020.02.21
国際農林水産業研究センター(国際農研)とマレーシア理科大学の共同研究チームは、オイルパーム古木(OPT)の「非構造性炭水化物(NSC)」量に影響をおよぼす環境要因を特定した。東南アジアでは20世紀半ばからパーム(俗称:アブラヤシ)の集約的な栽培が始まり、経済樹齢に基づく植栽・伐採・再植サイクル(約25年)等を行う農園が拡大している。国際農研は、農園に放置されたOPTに由来する温室効果ガスや、無秩序な開墾による熱帯林の減少を国際共同研究の課題に位置づけ、OPTの樹液に含有・蓄積されているNSCの活用に関する調査を進めてきた。今回、地球規模の環境・エネルギー問題に関するプロジェクト研究(期間:2018~2022年度、相手国:マレーシア)等で、2012年から2016年にかけて同国で実施した調査データ(NSC、果房量)と現地の気象観測データを用いて、それらの因果関係や相互作用の強さを「経験的動態モデリング」という手法により評価したところ、果房量が減少し、NSCが増加する期間が明らかになり、バイオマス利用におけるOPT伐採適期が示されたという。
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