北大など、子どもの血中鉛濃度とエピジェネティック修飾変化の関係を解明
発表日:2020.07.21
北海道大学とザンビア大学は、ザンビア共和国「カブウェ鉱床地域」の子どもの血中鉛濃度とエピジェネティック修飾変化の関係性を調査した。北海道大学は、JSTとJICAの連携事業である地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)の支援の下、同鉱床地域の鉛汚染メカニズム解明、環境修復および健康リスク評価などに関する調査研究に取り組んでいる。今回、同国保健省の許可を得て、現地クリニックで同鉱床地域周辺に住んでいる子どもの採血と血中鉛濃度測定を行うとともに、塩基配列の変化を伴わない「修飾」による遺伝子機能の調節・制御機構(エピジェネティックス)のレベルを解析したところ、鉱山の2~3 km圏に住んでいる子どもの血中鉛濃度は平均的に高く(6~7 km圏に住んでいる子ども比)、高濃度の鉛暴露下においてヘモグロビンを合成する酵素やがん抑制遺伝子のDNAメチル化レベルが高くなる(酵素等の発現量が抑制される)傾向が示された。貧血症状や発がんリスクへの影響にかかる本格的な調査実施につながる基礎的知見を得たという。
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