松本市、上高地の「再生と安全プロジェクト」の事業概要を紹介
発表日:2021.11.26
松本市は、中部山岳国立公園上高地における「上高地 再生と安全プロジェクト」の事業概要を紹介した。同プロジェクトは、環境省信越自然環境事務所が策定した「上高地ビジョン2014」に基づく。松本市は、世界に誇る山岳リゾート上高地を将来に渡って維持するため、梓川本来の流れの再生と安全な利用環境の両立を図るプロジェクトを進めている。上高地の徳沢・横尾地区では、山小屋や公衆トイレの維持、傷病者の搬送等のための道路として、川の中に管理用道路が設置されている。この道路は、土砂で盛り立てた「仮の道路」「仮橋」「土砂堤防」を設置したもの。こうした川の中の土砂堤防等は、河川流路を狭く単調化させ、自然環境と景観を損なっており、長年こうした状態が続いている。また、大雨により度々流され、通行に支障をきたすとともに、その都度復旧工事を実施している。このような状況を踏まえて、同市では、土砂堤防等の撤去による梓川本来の流れの再生と、被災リスクの低い管理用道路の整備による安全な利用環境整備を目的として、同プロジェクトに取り組んでいる。具体的には、歩行者専用の新村橋を車道橋に架替え、管理車両が安全に渡河できる橋とし、新たな管理用道路のルートは、梓川左岸に極力寄せ、増水等の被災リスクを低減。現状の仮設橋・土砂堤防等を撤去し、梓川の自然な流れ「網状流路」を再生していくという。