NECファシリティーズ、フッ素含有排水処理に係る実効的なソリューションを提示
発表日:2021.12.23
NECファシリティーズ(株)は、フッ素含有排水の処理に用いられている硫酸アルミニウム(硫酸バンド、PACとも言う)を削減する手法を導入することで、工場の環境負荷低減と設備運転コスト削減が同時達成できることを実証した。電子工業やガラス加工産業等ではフッ素およびそれを含む化合物が使用されている。フッ素等は水質汚濁防止法の規制対象となっていることから、工場や工程からの排出水にカルシウムを投入してフッ化カルシウムを沈殿させ、さらにPAC等を用いて完全除去する廃水処理システムなどが導入普及している。同社は栗田工業(株)と連携して、ルネサス エレクトロニクス(株)の半導体工場(所在:愛媛県西条市)におけるフッ素含有廃水処理の環境負荷低減施策を企画するとともに、その有効性を実証する装置の施工を実施した。3社が協力・連携し、半年にわたる実証試験を行った結果、薬剤自動注入システム(栗田工業製)による凝集体(フロック)間濁度検知制御に「フッ素濃度による制御」ファクターを加えることで、PAC注入量の最適化と連続投入が実現できることを発見した。定量的な効果として、CO2排出量に換算すると年間44 t-CO2に相当するPAC量(従来比35%)の削減、処理全体を通じて排出される汚泥の4%削減、運転コストの年間約300万円の削減を挙げている(同社試算値)。顧客工場・施設の総合的な課題解決に向けた施策(IFM: Factory life cycle management)のひとつとして、フッ素系以外の廃水処理への適用や展開を視野に入れているという。