〈PFAS〉兵庫・明石市、水道水の安全性を説明 5年後に明石川からの取水廃止に
発表日:2023.09.22
兵庫県明石市は、明石川(あかしがわ)流域で住民の血中から高い濃度のPFAS(有機フッ素化合物の総称、ピーファス)が検出された問題で、水道水の安全性と今後の対応について説明した。ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)やペルフルオロオクタン酸(PFOA)が代表物質として知られるPFASは、難分解性や高い蓄積性などの特長を有し、曝露した動物の胎児に影響を及ぼすことなどが報告されている。これまでに兵庫県議会議員や京都大学名誉教授が明石川の水を浄化している明石川浄水場、鳥羽浄水場の配水地域に10年以上居住している市民を対象とした血液検査を実施。その結果、10人中3人が米基準となっている1ミリリットル中に20ナノグラム以上のPFASを検出(ドイツ基準を超えたのは6名)。それを受けて、住民への不安が広がる中、明石市は「市内の給水末端で暫定目標値は全てクリアしており、安全な水道水であり、飲み水として全く問題ありません」と発信した。市水道局は「降雨の後で明石川に水量があるときの河川水を積極的に取水」「地下水と混合」という低減対策を行い、直近の測定では1リットル当たり5ナノグラムから10ナノグラム以下に抑制できているとのこと(国の暫定目標値:50ナノグラム)。現在までの市内の給水末端でのPFASは暫定目標値以下であるが、最終的には明石川からの取水を廃止する方向性も示した。令和7年度から阪神水道企業団から水道水を受水することで河川水の取水量を大幅に減量し、令和10年度中には取水を完全に廃止する方針という。