気候変動で早まるサクラの開花、遺伝子解析で予測精度向上へ
発表日:2024.09.24
近年、サクラの開花が早まる傾向が見られるが、これは気候変動による気温の上昇が原因とされている。サクラが春に開花するためには、冬季に花芽が十分な低温にさらされて休眠から目覚めた後、一定の高温を経験する必要がある。暖冬では花芽の目覚めが遅れるが、その後の気温が十分に高いため早く開花する。この目覚めのタイミングがわかれば、開花予測の精度が向上すると期待されるが、芽の休眠と目覚めの状態は肉眼では観察できない。--- 日本学術振興会の特別研究員PDである桑門温子氏と九州大学大学院の佐竹暁子教授、森林総合研究所の韓慶民氏および北村系子氏らの研究グループは、ソメイヨシノが休眠から目覚めるタイミングを予測するために、休眠から目覚める鍵となる遺伝子の働きに着目した初のモデルを提案した。さまざまな遺伝子を解析することにより、札幌・つくば・福岡のサクラの”季節感”を捉え、気象庁の気温データを用いて1952年から2022年の3地域の休眠打破のタイミングを予測した。 今後はこの予測モデルの精度を向上させ、地球温暖化が生態系に与える影響の予測に役立てるとともに、休眠打破の時期からサクラの開花時期をより正確に予測できるようになると期待される。
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