森林CO₂吸収量、増減分見積りから直接推定方式にシフト?!
発表日:2024.11.29
林野庁は、「森林吸収量に係る算定方法の改善方向について(中間とりまとめ)」を公表した。この資料は、気候変動問題に対する国際的な取り組みの一環として、森林のCO2吸収能力をより正確に把握するために設置・開催されている検討会の成果を取り纏めたもの。──検討会委員(科学的な知見を有する研究者)らは、森林吸収源対策は1992年に採択された気候変動枠組条約に基づく重要な施策であるとし、「GHGの吸収源としての森林の役割」は重要であると整理している。また、我が国では1990年を基準年として、新規植林・再植林が行われた森林や適正な森林経営が行われた森林を算入対象としていることや、異なる時点間の炭素蓄積の増減分を算定するストック・チェンジ法の問題点を指摘している。今回、より正確な炭素動態の把握に向けて、NFI(National Forest Inventory)データの活用が提案された。NFIデータは、全国レベルでの森林資源の調査データであり、標本調査により実測した直径や樹高等の計測結果を基にしている。具体的には、幹材積から炭素蓄積量への変換過程を見直し、統計的な信頼性を確保するための措置を講じる。また、全森林の蓄積を気候帯別・林種別に推計し、適正な森林経営が行われた森林を対象とする。──今回、2025年度分の森林吸収量の実績算定から「NFIデータを用いた算定手法(直接推定方法)」を適用する方針が示された。算定精度の向上のみならず、森林管理のインセンティブ向上に資することが期待される。
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