都市化~風速低下~繁茂、外来植物の巧妙な適応戦略
発表日:2024.12.02
東京都市大学 理工学部 自然科学科の福田教授らは、外来植物の生育地における風速の低下が外来植物の生育に有利な条件となり、繁茂につながることを明らかにした。本研究は、都市化による風速の低下が植物に与える影響、特に外来植物の適応戦略と種子生産量に焦点を当てたものである。──建物や構造物を築造することで風速が低下する場合がある。しかし、そうした局地的な風速変化が外来植物の繁茂に与える影響は未解明な点が多い。本研究では、同大学キャンパス内にオープントップチャンバー(OTC)を設置し、人為的に風速を低下させた環境と通常の風速環境で、キク科植物の外来種であるコセンダングサを育成した。育成中は、両集団の茎長、葉数、種子生産量を比較し、風速の低下が植物の形態や生産性に与える影響を解析した。──その結果、風速が低下したOTC内のコセンダングサ集団は、茎長や葉数が有意に増加し、対照集団よりも多くの光合成産物を獲得することが分かった。また、種子生産量もOTC集団の方が対照集団よりも有意に多くなった。これらの知見より、風速の低下が外来植物の繁茂を助長するメカニズムの存在が示された。──今後、他の外来植物についても調査を進め、随時結果を公表していくという。本成果は、科学雑誌『Frontiers in Plant Science』オンライン版に掲載された。
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