気候政策重視の有権者は47.6%(民間調査)
発表日:2025.05.25
一般社団法人ジャパン・クライメート・アライアンスは、東京大学未来ビジョン研究センターの江守正多教授の監修のもと、気候変動と選挙に関する有権者の意識を明らかにするため、全国5,000人を対象としたインターネット世論調査を実施した。
調査では、気候変動の悪影響を「すでに受けている」と回答した人が8割を超え、今後さらに悪化すると考える人も多数にのぼった。特にこの2〜3年で影響が「大きくなっている」と感じる人は72.3%に達している。影響として深刻視されているのは、「農作物の品質や収穫量の低下」(54.9%)、「生活コストの上昇」(44.4%)、「気象災害によるインフラ被害」(31.1%)などである。次の選挙で「エネルギー・環境・気候変動」に関心を持つと回答した人は71.2%にのぼり、そのうち「気候変動対応を重視する候補者に関心を示す」とした「気候政策関心層」は全体の47.6%を占めた。この層のうち、実際に「投票を通じて関心を示す」と回答した人は69.6%で、全体に換算すると33.1%、すなわち約3人に1人が「気候投票者」となる。また、気候政策関心層は、普段支持する政党よりも候補者の公約を重視する傾向が強く、全体の27.5%が「公約が合えば他党候補にも投票する」と回答した。これは、気候変動が有権者の投票行動に実質的な影響を与えつつあることを示している。さらに、政府の気候変動対策について「十分に行っている」と評価する人はわずか1.3%にとどまり、対策の強化を求める声が多数を占めた。特に「他国が消極的でも日本は積極的に取り組むべき」とする回答は56.7%に達している。
本調査は、気候変動が生活・経済・政治に深く関わる時代において、有権者の意識と行動の変化を可視化するものであり、今後の政策形成や選挙戦略に重要な示唆を与えるものである。
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