環境建築のプロトタイプとは?三菱電機らのZEB技術が国際賞獲得
発表日:2025.08.18
三菱電機、三菱地所設計および早稲田大学は、ZEB(Net Zero Energy Building)関連技術実証棟「SUSTIE(サスティエ)」が、米国暖房冷凍空調学会(ASHRAE)主催の「ASHRAE Technology Awards Program」において、アジア地域優秀賞「Regional Winner」を受賞したと発表した。――新築オフィス部門における評価であり、2026年に開催予定の世界最優秀選考への進出が決定している。
「SUSTIE」は神奈川県鎌倉市に位置する地上4階建ての中規模オフィスビルであり、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)において最高評価『ZEB』を取得。さらに、CASBEEスマートウェルネスオフィスの「Sランク」、WELL認証の「プラチナ」も取得しており、環境配慮・快適性・健康性の3認証をすべて最高ランクで達成した日本初の建築物。設計面では、自然エネルギーの活用を重視したパッシブデザインと、高効率設備機器の導入によるアクティブデザインを融合。太陽光パネル(約360kW)を屋上に設置し、都市部での創エネ最大化を図った。また、AIとIoTを活用したデジタルツイン環境により、設備の運用最適化を実現。人位置情報検知サービスの導入により、ABW(Activity-Based Working)を支援し、省エネと快適性の両立を図っている。実運用においても、一次エネルギー消費量の実績値が創エネルギー量を上回り、ZEBを達成。さらに、冷媒量の低減や機器更新の容易化など、エンボディドカーボンの削減にも取り組んでいる。――「SUSTIE」は国内外で複数の建築賞を受賞しており、「今後の環境建築のプロトタイプ」となるだろうと3者は訴求している。
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