横浜市は、平成22年度に行った、大気環境中のアスベスト濃度の調査結果を公表した。同市では、市域における大気環境中のアスベスト濃度の実態を把握するため、平成18年度から市内6地点6区で年4回測定を実施している。その結果、年間を通じて、各地点の濃度の範囲は0.04未満～0.21本/リットルであった。大気環境中のアスベストには国が定める環境基準はないが、世界保健機関（WHO）の環境保健クライテリアによると、世界の都市部の一般環境中のアスベスト濃度は、1本～10本/リットル程度であり、この程度であれば健康リスクは検出できないほど低いと記載されていることから、本市の調査結果についても問題になるレベルではないという。なお、WHOの環境保健クライテリアは、WHO、国際労働機関（ILO）及び国連環境計画（UNEP）が共同で実施している国際化学物質安全性計画（IPCS）において、化学物質ごとに人の健康に及ぼす影響を総合的に評価して取りまとめたものである。