アメリカエネルギー省(DOE)は、フロリダ州タンパの石炭ガス化複合発電(IGCC)施設で、高温ガス浄化システムのパイロットプロジェクト開始を発表した。これは、研究開発機関RTIとタンパ電力会社(TECO)との共同プロジェクトで、大規模IGCCの初の例となる。発電所の排ガスから二酸化炭素や水銀、硫黄といった汚染物質を取り除くガス浄化プロセスは、通常は低温で行われる。IGCCの高温浄化プロセスが実現すれば、信頼性を高めながら、排ガス浄化プロセスのエネルギー効率を高め、二酸化炭素などの回収コストも削減できるとされ、過去30年以上にわたり科学者らが技術的困難の解決に取り組んでいる。DOEは、「化石燃料は、今後数十年はアメリカの主要なエネルギー源のひとつ。今回のプロジェクトは、可能な限りもっともクリーンな方法で石炭資源を利用するうえで大きな前進」だとしている。IGCCは、回収した二酸化炭素を、肥料生産や石油の回収など他の利用へと転用し新たな収入の道を開く可能性があり、地元経済にも有利だという。