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 中国、氷の中に閉じ込められたバクテリアから過去の気候を解明へ

発表日:2008.12.26


  チベット高原研究所(ITP)、中国科学院(CAS)の研究者らは、雪や氷の中の微生物により、気候の変化が把握できる可能性のあることを報告した。本研究を指揮するヤオ博士によれば、氷床コアに含まれるバクテリアの量は気候条件により変化する。グラタンドン山のGuoqu氷河から採取された雪と氷のサンプルについて、ヤオ博士らが過去70年分、バクテリアの量を年ごとに測定したところ、温度の高さと塵の濃度に比例してバクテリアの量が多くなることが分かった。バクテリアの量は1938年が最少で1997年が最高となっており、温暖な年に増加する酸素同位体18Oの濃度と比例して増加した。また、バクテリアは氷床コア中の塵の量とも比例して増加した。塵は春の黄砂の季節に氷河に運ばれ、氷の中に取り込まれたらしい。この研究は、環境研究においてバクテリアと気候変動の関係を扱った最初のものであり、従来の物理的・化学的な指標とは本質的に異なる、新しいタイプの気候変動指標につながる可能性がある。

情報源 中国科学院(CAS) プレスリリース
国・地域 中国
機関 中国科学院(CAS)
分野 地球環境
キーワード
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