気象庁は、2017年11月のエルニーニョ監視速報を発表した。同庁では、エルニーニョ現象など熱帯域の海洋変動を監視するとともに、それらの実況と見通しに関する情報を「エルニーニョ監視速報」として毎月1回(10日頃に)発表している。今回の発表によると、2017年11月の実況は、ラニーニャ現象が発生しているとみられる。これは、エルニーニョ監視海域の海面水温が基準値より1.1℃低く、ラニーニャ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の9月の値は-0.5℃だったことや、太平洋赤道域の海洋と大気の状態から、予測されたもの。1)海面水温:西部で平年より高く、中部から東部にかけて平年より低い、2)海洋表層の水温:西部で平年より高く、中部から東部にかけて平年より低い、3)太平洋赤道域の対流活動:日付変更線付近で平年より不活発、4)大気下層の東風(貿易風):中部で平年より強い。今後、春には平常の状態になる可能性もある(40%)が、ラニーニャ現象が春まで続く可能性の方がより高い(60%)という。