気象庁は、2017年10月のエルニーニョ監視速報を発表した。同庁では、エルニーニョ現象など熱帯域の海洋変動を監視するとともに、それらの実況と見通しに関する情報を「エルニーニョ監視速報」として毎月1回(10日頃に)発表している。今回の発表によると、2017年10月の実況は、ラニーニャ現象時の特徴が持続している。これは、エルニーニョ監視海域の海面水温が基準値より0.6℃低く、以下に示した太平洋赤道域の海洋と大気の状態から、予測されたもの。1)海面水温:中部から東部にかけて平年より低い、2)海洋表層の水温:中部から東部にかけて平年より低い、3)太平洋赤道域の対流活動:日付変更線付近で平年より不活発、4)大気下層の東風(貿易風):中部で平年より強い。今後、ラニーニャ現象時の特徴が冬の終わりまで持続せずにラニーニャ現象の発生に至らない可能性もある(40%)が、発生に至る可能性の方がより高い(60%)という。