東京大学は、電気自動車(EV)のバッテリ搭載量軽減などにつながる「走行中給電」実用化研究の進捗状況や、現状と展開方向などを発表した。同大学は、EVの走行中給電に関して、モータを駆動輪に配置する「インホイールモータ(IWM)」方式の「ワイヤレス給電」に重点を置いた研究を進めており、2015年度にワイヤレスIWM搭載車の走行に成功した。2017年度には道路に設置したコイルからワイヤレスIWMへの走行中給電に成功し、2018年度に(株)ブリヂストン、日本精工(株)、2019年度に東洋電機製造(株)が(国研)科学技術振興機構の研究プロジェクトに加わり、研究開発を推進している。今回、2017年度の成果をベースに開発した新たなワイヤレスIWMの給電実験(静止状態)を行い、ベンチ上で給電電力20 kW、効率92.5 %を達成した。参画企業各社は同プロジェクトに関わる基本特許のオープン化について合意しており、産学オープンイノベーションの一層の促進を図るとともに、多様な組織・企業の知見を取り入れながら2025年の実証研究フェーズ移行を目指すという。