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 三菱電機✕Science Tokyo、低温排熱に適した感温性高分子ゲルを開発

発表日:2024.11.14


  三菱電機と東京科学大学(Science Tokyo)は、水を主成分とする感温性高分子ゲルを利用し、30℃~60℃の低温熱を世界最高の蓄熱密度(562kJ/L)で蓄えることのできる新規蓄熱材を開発した。政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」宣言や「2030年度の温室効果ガス排出量46%削減(2013年度比)」の実現に向け、省エネルギー技術の開発と導入が喫緊の課題となっている。特に、80℃以下の低温排熱を高密度(333 kJ/L以上)で蓄える技術を安価な材料を用いて実現することが強く求められている。──新規蓄熱材は、三菱電機の分子シミュレーション技術や蓄熱材構造の解析・評価技術と、Science Tokyoの階層構造ポリマー合成技術によって実現されたものである。両者は「感温性高分子ゲル」と呼んでいる。温度によって親水性と疎水性に変化する構造相転移反応と水素結合反応を組み合わせた連成反応により、低温でも高密度に蓄熱できることを世界で初めて実証した。工場や自動車、オフィスや住宅環境などから廃棄されていた低温排熱の回収・再利用に有効であり、化石燃料の消費量を削減し、省エネルギー化や脱炭素化によるカーボンニュートラル社会の実現に貢献することが期待される。──なお、この成果の詳細は、11月14日から15日に京都市で開催される「高分子学会第33回ポリマー材料フォーラム」で発表される予定である。

情報源 三菱電機 ニュースリリース
機関 三菱電機(株) 東京科学大学
分野 環境総合
キーワード 省エネルギー | カーボンニュートラル | 低温排熱 | 脱炭素 | 蓄熱材 | 感温性高分子ゲル | 構造相転移反応 | 水素結合反応 | 分子シミュレーション | 高分子混雑環境
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