イギリス気象庁は、水道会社の水資源戦略と運営を効率化するためのツールとして、水道の水需要、漏水、破裂、濁り等を予測する初のモデルを開発したと発表した。水道の水需要、漏水、菅破裂、夏季の夜間使用量、汚濁は天候に左右され、従来は予測が困難だった。そのため気象庁は、ロンドン一帯を担当する水道会社と協力し、保有する天候データを活用してこれらの要素と天候との関係を解明して、正確な予測が可能なモデルを開発した。一連のモデルは、冬季に増加する水道管の破裂や漏水、夏季に増加する水需要を天候との関連で予測する。また、夏季に増加する夜間水使用量と漏水との区別を可能にして漏水探知作業の無駄を省き、大雨による水質汚濁のモデル化によって水処理レベルの管理・効率化も可能にするなど、モデルの導入は水資源の管理やコスト節減に役立つとみられる。モデルは、各地の水道会社それぞれの状況に合わせて調整できるようになっており、気象庁は、それぞれの特性に合わせ、モデルが最適な状態で使用できるよう水道会社に協力するとしている。