国連環境計画、世界の気温上昇を2℃未満に抑えてもアフリカの気候変動への適応コストは急激に上昇と予測
発表日:2015.03.04
国連環境計画(UNEP)は、気候の変動、特に温暖化がどの大陸よりも加速しているアフリカで、そのための適応コストは、今世紀の気温上昇が2℃未満に抑えられても2050年には年間500億ドルに達している可能性があり、緊急な対応が必要とする予測を、新たな「アフリカの適応ギャップ」報告書の中で示した。この報告書は、第15回アフリカ環境大臣会議(AMCEN)で発表されたもので、UNEPの「排出ギャップ報告書2014年版」、同「世界適応ギャップ報告書2014年版」を基にしている。仮に温暖化が中間的シナリオを上回って進むと、今世紀末にはアフリカの大半で気温は3~6℃上昇し、農業生産、食糧の確保等への深刻な影響で、アフリカ住民への危機が増すという。報告書は、こうした気候変動影響に適応するための莫大な費用を軽減するには、地球規模での大幅な温室効果ガス排出削減が必要だが、アフリカの財源不足を補い適応ギャップを埋めるためには、十分な国際的資金援助と、アフリカ諸国および地域の包括的で実効性ある政策立案、能力構築等も不可欠だとしている。