OECD、ニュージーランド環境保全成果レビューで環境負荷が高まっていると指摘
発表日:2017.03.21
経済協力開発機構(OECD)は、ニュージーランドに対する「環境保全成果レビュー」を公表した。これによると、同国は環境に関わる生活の質は高いが、主に自然資源の利用に頼った成長モデルは、温室効果ガス排出や水汚染の増加を伴い、環境の限界を示しつつあるという。同国では集約的な酪農、道路輸送等により温室効果ガス総排出量が1990年以降23%も増加。再生可能エネルギーが発電量の80%を占めOECD諸国で極めて高いにも拘わらず、単位GDP当たり及び1人当たりの排出量はそれぞれ2番目、5番目に多い。特に排出量に占める農業の割合は49%で、OECD諸国で最も高く、農業を排出量取引制度に組み込むことや、税・課金の活用拡大等を提案。集約的な酪農の拡大は土壌や地表水、地下水の窒素濃度を増加させ、政府は淡水政策の改革に着手したが、地方当局への更なる支援が必要と指摘した。この他、都市計画システムの簡素化、自動車関連の基準・税制の改善、低炭素・グリーン経済への移行に向けた長期的なビジョン策定など様々な勧告を行った。
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