産業技術総合研究所は、東北大学流体科学研究所との共同研究により、アンモニアを燃料とした41.8kWのガスタービン発電に成功したと発表した。水素キャリアは、常温常圧では気体の水素を、水素を多く含んだ化学物質に変換して、より簡便に貯蔵・輸送を行うための媒質。アンモニアは、水素含有量の多い水素キャリアとして注目され、特に発電用燃料として期待されている。さらに、アンモニアは燃焼しても主に水と窒素しか発生しないことから、従来の燃料の一部をアンモニアに置き換えるだけでも、二酸化炭素（CO2）排出量の削減効果が大きい。今回、メタンとアンモニアの混合ガスを用いたガスタービン発電に成功し、天然ガスを燃料とする大型の火力発電所でのアンモニア混焼による発電の可能性を示した。さらに、CO2フリーの大型火力発電に繋がる100%アンモニア燃焼（アンモニア専焼）による発電にも成功した。これらの成果は、発電分野における温室効果ガスの大幅な削減に寄与する技術として実用化が期待されるという。