(独)森林総合研究所、火山灰が多い日本の森林土壌におけるイオウ蓄積を定量分析
発表日:2009.05.11
(独)森林総合研究所は、土壌中のイオウ分析法を新たに考案し、火山灰を多く含む日本の森林土壌が、欧米の土壌の数倍ものイオウを蓄積していることを明らかにした。イオウの保持力が弱い欧米の土壌では、酸性雨(雨に溶けた硫酸イオン)として地上に降下したイオウが、水に溶けて土壌を酸性化するため、植物の養分(カルシウムやマグネシウム)が流出するとともに、有害なアルミニウムが溶出し、森林衰退の原因にもなると考えられている。一方、火山灰を含む日本の土壌は、イオウが火山灰の成分と結合するため、土壌の酸性化が進まず、酸性雨による被害が出にくいと考えられるという。また、今回の研究では、土壌に含まれる火山灰の風化産物の量を調べることで、土壌酸性化の起きやすさを予測できることを示した。このような知見は、わが国でも火山灰の降下量が少ない地域で報告され始めた土壌酸性化の原因解明や、越境大気汚染の影響予測に役立つという。
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