JAMSTECと東大、温暖化に伴う将来雨量の予測に新たな視点を提示
発表日:2019.11.14
(国研)海洋研究開発機構(JAMSTEC)と東京大学大気海洋研究所の研究グループは、地球温暖化に伴う中緯度の雨量変化について、高解像度気候シミュレーションから示唆された知見を発表した。同研究グループは中緯度では大部分の雨が温帯低気圧によってもたらされていることに着目し、空間スケールの小さな気象現象を表現し得る、水平解像度(全球14kmメッシュ)を有するモデルによる解析を試行した。従来モデルの経験則に基づく雲と対流のパラメータ化を用いずに、現在の気候を模したシミュレーションデータを解析し、観測データと比較したところ、雨量分布を再現できていることが確認された。一方、将来の気候シミュレーションデータ(2075年~2099年)を解析したところ、もともと雨が多かった場所で雨量が増加しすることが分かった。温帯低気圧がもたらす雨量は「地上気温」のみでおおよそ決定できること、北半球であっても南半球であっても、温帯低気圧の雨量と地上気温は一対一の普遍的な関係にあることが示唆されたという。この結果は、今後高精度な雨量の衛星観測を地球全体で行うことで、温暖化が進んだ将来の雨量を見積もることができることを意味している。
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