（独）宇宙航空研究開発機構（JAXA）は、陸域観測技術衛星「だいち」（ALOS）の観測データを用いて作成した、日本のほぼ全域の「高精度土地被覆図」をインターネット上に公開すると発表した。これは、「だいち」搭載の高性能可視近赤外放射計2型「AVNIR-2; アブニール・ツー」（青域から近赤外域の電磁波を4つのバンドで観測できる光学センサ）の観測データを主に用いて作成した画像で、一部の離島を除いた日本のほぼ全域を、50m四方の細かさ（解像度）で9つの種類（水域、都市、水田、畑地、草地、落葉樹、常緑樹、裸地、雪氷）に分類している。この画像は、国や地方自治体が行っている植生調査や森林管理、土砂災害などの調査、食糧安全保障への貢献など実利用の分野や、生態系研究等の研究分野などの基礎情報として利用される。また、将来的には、気候変動観測衛星 「GCOM-C; ジーコム・シー」による全地球規模での土地被覆図の作成・高精度化や、次期高分解能光学センサによる、より詳細な土地被覆調査へとつなげることが期待されるという。