(独)海洋研究開発機構、バレンツ海の海氷減少がもたらす北極温暖化と大陸寒冷化について発表
発表日:2012.02.01
(独)海洋研究開発機構は、バレンツ海の海氷減少がもたらす北極温暖化と大陸寒冷化について発表した。これは、同機構地球環境変動領域・寒冷圏気候研究チームの猪上淳主任研究員らが、北極の温暖化が最も著しい冬のバレンツ海に着目し、そこで発生する低気圧の経路が海氷の多寡によってどのように変化し、北極の温暖化とシベリア域の寒冷化にどのような影響を与えているのかを調べたもの。その結果、バレンツ海の海氷が少ない冬は低気圧の経路が通常のシベリア沿岸域よりも北極海側にシフト(北上)することを見出し、その結果形成される気圧配置の変化が北極海上の温暖化を促進する一方、大陸上では寒冷化が起こりやすい状況になることを明らかにした。また、シベリア域に形成された寒気は数日後には日本に到達することが多く、近年の日本の冬が寒い原因の一つとして考えられるという。同機構では、今回の成果は、バレンツ海の海氷減少と北極温暖化が、中緯度の気候変動と密接に関連することを示した極めて重要な知見であるとしている。
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