三菱重工業（株）と（株）大林組は、放射線環境下で活動する産業用車両の操縦者の被ばく量を抑制する、車載型遮蔽シートを共同で開発したと発表した。同シートは、遮蔽効果の高いタングステンを主に使い、油圧ショベルやクローラーキャリア、クレーン車など様々な車両の既存の座席シートを取り外して組み付けることができるもの。東京電力（株）福島第一原子力発電所の構内作業や周辺高線量地域での除染作業、環境省が検討する中間貯蔵施設や減容化施設における放射性廃棄物の運搬作業などを念頭に、遮蔽率50%を目標として開発した。同シートを導入することにより、放射線遮蔽機能を備えた産業用車両の新規調達や車両改造に必要なコストや手間が省ける。両社では、同シートを平成24年12月中旬に発売する予定で、今後放射線環境下における実地の遮蔽効果実証試験も検討し、さらなる使い勝手の改善や、遮蔽率の向上などに取り組むという。