欧州環境局は、欧州の消費と生産における環境負荷を数値化する方法を示した報告書を公表した。これまで環境負荷と経済成長の「分離」が不十分で、財やサービスの消費と生産は持続不可能な状態にあるという。この「分離」実現のため、報告書では、政策決定者に対し経済的インセンティブなどを設定するためのツールの提供を目指す。報告書で用いた方法には二つあり、1)生産に関して、採鉱など原料資源の採取や大気汚染物質の排出など、事業者による直接的な環境負荷を、2)消費に関して、環境分析用拡張型産業連関分析(EE-IOA)と呼ばれる手法を用いて、消費者による間接的な環境負荷を数値化する。また、報告書によると、環境負荷データと経済支出を直接比較することができ、「分離」に成功している部門や環境負荷が集中している部門がわかるという。報告書では、環境負荷として、原料の使用、温室効果ガスの排出、酸性大気の排出、地表の有害オゾンの原因となる大気汚染物質、の4種が検討されているが、廃棄物など他の環境負荷の評価も可能だとしている。