海外ニュース


 グリーンランドの氷床コアから、北極の汚染の歴史が明らかに

発表日:2008.08.18


  欧米での石炭燃焼から生じた1772年から2003年までの北極の汚染の歴史が、砂漠研究所(DRI)により、「アメリカ科学アカデミー紀要」オンライン版で発表された。グリーンランド氷床コアの詳細な測定から、カドミウム、タリウム、鉛等、石炭燃焼からの汚染物質が予想より多く見つかったという。これまで、汚染のピークは、欧米で工業活動が最も活発だった、大気浄化法施行前の1960~70年代とされていたが、今回の測定で、欧米が石油・ガス経済に移行する以前、クリーン石炭燃焼技術の無い石炭経済時代である100年前が最も汚染が著しく、20世紀初めは現在より2~5倍、産業化以前より10倍も汚染度が高いことが分かった。なお、北極の北大西洋側では、100年前より重金属汚染が減少している一方、アジアでの石炭経済の急速な発達から、他地域による汚染が増加している可能性があること、アジアでの重貴金属汚染が食物連鎖にリスクを及ぼす可能性があることが指摘されている。

情報源 アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース
国・地域 アメリカ
機関 アメリカ国立科学財団(NSF)
分野 地球環境 健康・化学物質 大気環境
キーワード
関連ニュース

関連する環境技術