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 商船の粒子状物質排出量、世界の自動車の排出量の半分に達する

発表日:2009.02.26


  世界中の商船が排出する粒子状物質は年間90万tに上り、全世界の自動車の排出量の約半分になることがアメリカ海洋大気庁(NOAA)とコロラド大学ボルダー校の研究で明らかになった。この研究は初めて直接的な排出測定をもとに、粒子状物質汚染への船舶の寄与度を世界的に推計したもので、Geophysical Research誌に掲載中。船舶輸送の70%以上が沿岸から約400km以内であることから、沿岸住民の健康が懸念されるという。また、船舶からの粒子状物質の化学的組成も調査し、半分は硫酸塩で構成され、この量は燃料の硫黄濃度で変化すること、残りの半分は有機汚染物質と黒煙で構成され、この量はエンジンの操作速度と潤滑油の量で変わることが分かった。燃料中の硫黄分は既にマルポール条約等で規制されているが、有機汚染物質と黒煙は現在の規制では直接、対象となっていない。ただし、低硫黄燃料を燃焼させるエンジンは潤滑油を要しない傾向にあり、硫黄燃料規制も有機粒子状物質の削減に間接的な効果があるという。

情報源 アメリカ海洋大気庁(NOAA) プレスリリース
国・地域 アメリカ
機関 アメリカ海洋大気庁(NOAA)
分野 大気環境
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