アジア開発銀行(ADB)は、新たに策定した「戦略2030」に基づき、アジア太平洋地域の気候対策に今後10年間で800億ドルの融資を行うことを明らかにした。同地域は、気候対策が遅れた場合、貧困が進み災害も増える危険性が最も高いという。ADBは、2030年までに、合意済の業務案件の75%を気候変動の緩和と適応への支援に充てる意向であり、同戦略において次の7つの優先事項を掲げている。1)気候対策、気候変動と災害に強い社会の構築及び環境の維持・向上、2)住みやすい都市づくり、3)農村開発と食糧安全保障の促進、4)残存する貧困と格差への対策、5)ジェンダー平等化の加速、6)ガバナンスの強化と制度面での能力の向上、7)地域協力・融合の促進。ADBの中尾総裁は、「融資や知識、諸機関とのパートナーシップの総力を結集して、極度の貧困を撲滅する努力や、豊かで、誰も排除しない、気候変動に強い持続可能なアジア太平洋地域を目指す取組を継続していく」と語る。