国連気候変動枠組条約(UNFCCC)は、2019年6月17日からドイツのボンで開催されていた第50回補助機関会合(SB50)が、6月27日に閉幕したことを報じた。会期中に欧州各地が記録的熱波に見舞われるなかで、2019年12月にチリのサンティアゴで開催されるCOP25での採択を目指して多数の協議が行われた。パリ協定第6条の市場メカニズムによる温室効果ガス排出削減に関しては、資産総額34兆ドル超の投資家らが各国政府にパリ協定の目標に沿った炭素市場構築を強く求める声明を発表しており、こうした後押しを受け協議を進めた。その他に、促進的意見の共有(FSV)の場で途上国9か国が2020年までの温室効果ガス排出削減目標へ向けた取組を発表し、多国間評価として先進国19か国が気候行動を発表した。また先住民の知識を気候変動の緩和と適応に統合する作業計画に合意した。エスピノーザUNFCCC事務局長は、「建設的な雰囲気の中いくつかの重要領域で進展があったが、COP25までに未解決事項をすべて解決する必要がある」と述べた。