ドイツ連邦経済エネルギー省(BMWi)は、水素など未来のエネルギー技術を、実際の条件の下、産業規模で実証する20件のプロジェクトを発表した。これは、同省が実施したエネルギーシフトの社会実験に関するアイデアコンテストで、90件の応募から選ばれたもので、水素、エネルギー貯蓄、エネルギー最適化地域の開発などの実験を行う。特に低炭素が実現できる水素は重点となっており、風力や太陽光で発電された電力を使い、電気分解によって水素を生産する技術などを実証する。このためBMWiは毎年1億ユーロを拠出する。連邦政府は、2019年末までに水素戦略を承認する予定で、今回の社会実験は戦略の重要な基礎になる。このコンテストは、連邦政府のエネルギー研究計画の柱の一つで、企業が学術・研究分野のパートナーと共に地域で社会実験を行い、エネルギーシステムと社会の相互作用を分析し、イノベーションを実践に移していくために重要な経験を集めるという。また長期的に競争力のある事業モデルを実現するための法的条件についての知見も収集する。