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 南極で新たな氷床コア採掘プロジェクトが始動、過去10万年の気候を詳細に記録

発表日:2008.01.22


  アメリカ国内の様々な研究機関の研究者・技術者等からなるプロジェクトチームは、西南極氷床(West Antarctic Ice Sheet:WAIS)で、580メートルの氷床コアの採掘に成功した。これは、アメリカ国立科学財団(NSF)による氷床コアプロジェクトの一環であり、氷床コアは今後、3,465メートルまで採掘され、過去10万年の気候変動、特に過去4万年における1年ごとの詳細な記録が得られる予定である。氷床コアに含まれる過去の大気や化学物質等の情報により、人間活動の影響が生じる以前の地球上における、温室効果ガス増加と気候変動との関係が詳細に分析可能となり、気候変動予測モデルの精度向上につながると期待されている。また、コアに含まれる生物試料からは、地球上の生命に関する基礎的知見や、気候と生化学的プロセスとの相互作用等についての情報が得られる可能性がある。このプロジェクトは、15年以上の準備期間を経て実施されるもので、広大な氷床から最適の採掘地点を選定するための航空調査や現地調査が事前に行われた。今後、年間わずか40日の温暖な採掘可能日を利用して、2010年1月まで採掘が続けられる予定という。

情報源 アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース
国・地域 アメリカ
機関 アメリカ国立科学財団(NSF)
分野 地球環境
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