ヨーロッパ全域で急拡大している侵入外来種ブタクサの拡散を食い止める新プロジェクトが、欧州議会の主導で開始された。ブタクサは、人や動物に重度のアレルギーを引き起こし、農業などの産業面や、生物多様性等の環境面にも悪影響を及ぼしている。2011年4月4日、プロジェクトの開始にあたり、生態学・水文学研究所や自然環境保全欧州センター(ENCN)などプロジェクトの中心メンバーは、欧州委員会の代表と会合した。その中で、ブタクサ拡散の現状を把握するために、情報の総合的・体系的な検討、知見の不足部分の明確化および最新のモデリング手法の活用が急務であることが確認された。また、ブタクサの拡散・移入抑制策の構築も優先事項に挙げられ、国の全部門に与える経済・社会・環境上の直接・間接的被害の数量化や、科学的根拠のある正確かつ最新の情報普及を行うことが確認された。同プロジェクトはヨーロッパ各地の専門家や機関のネットワークと連携し、18ヶ月間実施される。