欧州環境庁(EEA)では、EUのポスト2010年の生物多様性政策をめぐる議論に貢献するため、生物多様性の現状を提示するとともに、生物多様性に関する情報システムを開発するといった取り組みを強化する予定である。欧州委員会では、2010年1月、EUの2010年後の生物多様性ビジョンと目標を策定するため、複数の選択肢を示す協議文書を公表している。EUの新たな生物多様性戦略づくりは1年を通して続けられ、10月の第10回生物多様性条約締約国会議で採択される戦略計画に関する国際交渉において、EUのポジションを形成するのにも役立つ。政策決定者は、生物多様性の動向や政策の効果を把握するため、生物多様性の現状を示すベースラインを必要としており、EEAと欧州委員会では、EUの生物多様性のベースラインの概要を6月に公表する予定である。また、併せて、欧州全域の生物多様性政策や目標に関する知見を共有することを目指す、「欧州生物多様性情報システム(BISE)」の青写真も提案することとしている。