イギリス公共政策研究所(IPPR)は、風力発電はイギリスにとって信頼しうる有望なエネルギー源であり、これを否定する事実に反する主張が消費者の利益を損なうおそれがあると報告した。報告書「怒号を越えて」は、100名以上の下院議員グループが提起した、風力発電は非効率で信頼性が低いとする批判に根拠がないことを指摘し、イギリスの風力発電の有望性は欧州諸国でも最高であり、世界市場の低炭素技術需要は引き続き急速に拡大するとの見通しを明らかにした。報告書は、風力発電が気候変動対策の有効な手段であり、2011年にはイギリス全体で少なくとも550万トンのCO2の排出を削減したこと、陸上風力発電は現在の再生可能エネルギー技術のうち最もコストが低く、洋上風力発電についても2020年までに30%のコスト削減を目指して官民で共同作業を行っていることを指摘している。さらに、風力発電技術は信頼性が高く、イギリスの既存電力網の運用にほとんど影響を与えずに相当量の電力を供給することが技術的に可能だという。