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 産総研など、「煤(すす)」の長期間観測手法とデータ活用方向を提示

発表日:2020.03.18


  産業技術総合研究所(産総研)と北海道大学は、20年間にわたる煤(以下「BC:Black Carbon」)の地表面沈着量を分析する手法を開発し、現行のBC検証方法を改善する手法を提示した。雪氷にBCが沈着し、熱収支や気候に影響をおよぼすと考えられている。BC沈着量の長期データは雪氷・アイスコアの分析により取得することが可能で、漏斗などを用いて直接採取することもできる。しかし、東アジアが発生源となる場合、偏西風の風上に位置する雪氷等からBC沈着量を読み解くことは困難で、連続観測データは3年半以下のものが多い。同研究グループは、酸性雨研究において廃棄されている薄膜フィルターに着目し、付着しているBC粒子の分析手法を考案した。今回、(地独)北海道立総合研究機構が保存しているフィルターを分析した結果、BC沈着量が年ごとに大きく変動している事例(札幌市、1993年~2012年)が確認された。短期間データを用いた検証結果は実観測結果と大きく異なる可能性があるため、より長期間の観測データを多用した気候モデルの検討が必要であるという。

情報源 産業技術総合研究所 研究成果
北海道大学 研究発表(PDF)
機関 産業技術総合研究所 北海道大学 山梨大学 (地独)北海道立総合研究機構 名古屋市環境科学調査センター
分野 大気環境
キーワード 酸性雨 | 産業技術総合研究所 | 気候モデル | 山梨大学 | 北海道大学 | 札幌市 | 名古屋市環境科学調査センター | 北海道立総合研究機構 | Black Carbon | 薄膜フィルター
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