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 京大、動植物に共通する遺伝子制御の仕組みを解明

発表日:2020.09.01


  京都大学は、植物の季節的な応答が、動物の胚発生などと同じ仕組みで起きていると発表した。受精卵からさまざまな細胞が分化する過程においては、「ヒストン」というタンパク質が各細胞に関与し、メチル化などの化学的な修飾を受ける部位によって遺伝子の働きを活性化、あるいは抑制する(以下「遺伝子制御」)。同大学は、植物の季節的な応答における遺伝子制御が詳細は未解明であることから、日本に自生するアブラナ科の植物ハクサンハタザオの自然集団を対象として、1年間1月ごとに12回、2日間6時間おきに8回、葉のサンプリングを行い、全遺伝子レベルで網羅的にヒストン修飾を解析した。その結果、抑制型ヒストン修飾は一日の中では安定だが季節を追って大きく変化すること、またその変化は活性型ヒストン修飾よりも少し遅れることが分かった。こうした抑制型ヒストン修飾の「ゆっくりとした」挙動は、動物の胚発生や細胞のガン化におけるはよく知られている。動物・植物(界)の共通点に接近するものであり、植物の性質を改変・調節する技術につながる新知見であるという。

情報源 京都大学 研究成果
機関 京都大学
分野 自然環境
キーワード 塩基配列 | 季節的な応答 | 胚発生 | ヒストン | 化学的修飾 | 遺伝子制御 | ハクサンハタザオ | 全遺伝子レベル | 抑制型ヒストン修飾 | 活性型ヒストン修飾
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