国土交通省は、民間企業が有する新たなグリーンインフラ技術の実証を支援する「グリーンインフラの新技術開発支援事業」において3件の事業を選定した。いずれも実証フィールドを用いて技術の有効性や実用可能性を検証し、今後の社会実装につなげることを目的とする。
選定された事業の一つは、(株)バイオームによる、生物多様性データを活用したグリーンインフラ評価手法の開発である。同社が保有する生物分布データを基に、高解像度な生息ポテンシャルの類型化を行うとともに、学習ツーリズムなどの市民参加型コンテンツを組み合わせ、自然資本の価値を賑わいや不動産価値といった経済的インセンティブに接続する仕組みの実証を目指す。
鹿島建設(株)の事業は、緑地をグリーンインフラとして持続的に機能させるための評価・合意形成支援に焦点を当てており、先端技術を用いた緑地の効率的な計測とデータ解析により、緑地がもたらす多機能性やリスクを定量的に評価・可視化し、その結果を維持管理の方針検討や関係者間の理解促進に活用する枠組みの構築を進める。
(株)ウエスコは、都市の暑熱対策を主眼に、3次元都市モデルと温熱流体解析を活用した政策評価モデルの構築に取り組む。空き地の緑化や水域拡張が都市の温熱環境に与える影響を高解像度で定量化し、健康、エネルギー、経済便益を統合的に評価できる手法として整理する計画だ。
同省は、ネイチャーポジティブの実現に向けたグリーンインフラ技術が、実証段階から社会実装へと進むための知見の蓄積を期待している。