環境省は、令和2年度大気中水銀バックグラウンド濃度等のモニタリング調査結果を公表した。同省では、国内外の水銀対策に資するため、国内の発生源による影響を直接受けないバックグラウンド地点である沖縄県の辺戸岬および秋田県の男鹿半島において、水銀の大気中濃度等のモニタリングを実施している。対象物質は、大気中にガス状で存在する金属水銀、酸化態水銀、及び粒子状水銀の濃度と、降水中の総水銀濃度で、辺戸岬では、水銀の発生源・挙動等を解析するため、大気中粒子状物質中の水銀以外の金属類等の濃度の測定も行っている。令和2年度、大気中水銀濃度の年平均値は、辺戸岬において1.7 ng/m3、男鹿半島において1.6 ng/m3であり、環境中の有害大気汚染物質による健康リスクの低減を図るための指針値(年平均値40 ngHg/m3)を十分下回る値であった。降水中の水銀濃度の年平均値は辺戸岬において5.0 ng/L、男鹿半島において7.9 ng/Lで、男鹿半島は過年度と比較して若干高い値となった。大気中粒子状物質における水銀以外の金属元素の濃度は、ヒ素、カドミウム及び鉛については測定開始以来の最低値となったが、クロムについては測定開始以来の最高値となった。モニタリング調査のデータは、アジア太平洋地域における基礎資料として国際的に重要であり、水銀に関する水俣条約の有効性評価にも資するため、今後も継続的に実施し、広く国内外へのデータの提供や結果の発信を行うという。
情報源 |
環境省 報道発表資料
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機関 | 環境省 |
分野 |
大気環境 |
キーワード | 環境省 | 水銀 | カドミウム | 秋田県 | ヒ素 | 沖縄県 | クロム | 有害大気汚染物質 | 大気中水銀濃度 | 大気中水銀バックグラウンド濃度 |
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