筑波大学・システム情報工学研究科の石丸氏と合原准教授は、ツクツクボウシが発する「2種類の鳴き声(擬音語:オーシンツクツク/ジューッ)」の規則性を発見した。──セミの鳴き声は種によって異なり、会話のキャッチボールやハーモニーを奏でるように聴こえることがある。オスのセミがメスを引き寄せるために音を発することが知られており、単一のセミの鳴き声行動は多くの種で定量化されている。石丸氏らは、複数のセミ間の音響的相互作用はごく少数の種でしか調査されていないことから、オスのツクツクボウシを2匹近くに置き、鳴き声を録音・分析することで、同種が鳴くタイミングと鳴き声の規則性を調査した。その結果、23ペア中19ペア(83%)で「オーシンツクツク」の直後に「ジューッ」が発せられることを発見した。さらに、鳴き声の重なりが競争相手の鳴き声を邪魔する効果があるか否かを検証したところ、23匹中2匹においてそうした効果が示された。──この研究は、ツクツクボウシの鳴き声に見られる規則性を明らかにしたものであるが、その機能について多くの謎が残されていることを投げかけている。2種類の鳴き声の重なりが繁殖行動や縄張り維持にどのように影響するか、さらなる調査研究の進展が期待される(掲載誌:Journal of Experimental Biology)。
情報源 |
TSUKUBA JOURNAL
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機関 | 筑波大学 |
分野 |
自然環境 環境総合 |
キーワード | シミュレーション | 競争 | 分析 | 鳴き声 | 繁殖行動 | ツクツクボウシ | 規則性 | 縄張り維持 | 録音 | 夏の風物詩 |
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