魚の口に入る大きさで、しかも無毒な小型昆虫は、捕食者に容易に食べられると考えられてきた。
神戸大学大学院農学研究科の研究グループは、ため池などに生息する小型の水生昆虫が、捕食者であるナマズに捕らえられた後でも、口内で抵抗することで生きたまま吐き出され、生還できる場合が多いことを実験的に示した(掲載誌:Scientific Reports)。
研究では、ナマズの捕食行動に着目し、水槽内でナマズ1個体と水生昆虫1個体を同時に入れて観察を行った。ミズスマシ科、ゲンゴロウ科、ガムシ科に属する計8種の成虫を用い、各昆虫種20個体、ナマズ17個体を使って実験を実施した。ナマズは水とともに獲物を吸い込み、最終的に飲み込む捕食様式をもつが、捕食後の獲物の運命を詳細に追跡した。その結果、口内に取り込まれた昆虫のうち、49%が消化され、51%は生きたまま吐き出された。捕食成功率は昆虫種によって20〜90%と大きく異なり、特に体の小さい種ほど吐き出される割合が高い傾向が確認された。最小種であるマメガムシでは、20個体中14個体(70%)が生還した。さらに、中脚や後脚を切除したマメガムシでは捕食成功率が85%に上昇し、生還率が大きく低下したことから、脚を使った口内での抵抗行動が飲み込みを防ぐ主要な要因であると研究グループは解釈している。
これまで、小型の水生昆虫が魚のいる水域に多い理由として、「発見されにくい」「栄養価が低く好まれにくい」といった説明が主に用いられてきた。研究グループは、今後、他の魚種や水生昆虫にも対象を広げることで、魚の導入が水生昆虫相に及ぼす影響をより正確に評価できると述べている。
| 情報源 |
神戸大学 プレスリリース
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|---|---|
| 機関 | 神戸大学 |
| 分野 |
自然環境 |
| キーワード | 水生昆虫|捕食行動|防衛戦略|ナマズ|小型昆虫|生還率|動物行動学|捕食者被食者関係|Scientific Reports|神戸大学 |
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