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 ドイツ、森林被害は未だ深刻

発表日:2009.06.16


  ドイツ政府は森林報告書を公表し、未だに深刻な森林被害の原因と、その対策を示した。ドイツの森林の3分の2以上はダメージを受けており、26%は特に深刻な状況にある。こうした被害には様々な原因があるが、特に、人間活動に伴う大気汚染、中でも窒素化合物による大気汚染が大きい。工業・運輸部門から排出される窒素化合物は、樹木や植物の葉等に被害を及ぼす、地上レベルオゾンの前駆物質である。また、窒素化合物は、偏った肥料の散布や酸化を通して、植物や土壌の栄養バランスを乱し、気候の影響や害虫等、他の負荷に対する森林の抵抗力を弱める。ドイツは、長距離越境大気汚染条約やEUの国別排出上限指令により、大気汚染物質の排出量を2010年までに大幅に削減することを目指している。しかし、窒素化合物の削減目標の達成は難しく、連邦環境庁(UBA)では窒素排出削減総合戦略を策定。窒素排出量の半分以上を占める農業分野での対策に大きな可能性があるとしている。運輸部門と大規模燃焼施設での排出削減も生態系への窒素化合物の負荷削減に貢献するという。

情報源 ドイツ連邦環境庁(UBA) プレスリリース
国・地域 ドイツ
機関 ドイツ連邦環境庁(UBA)
分野 自然環境 大気環境 水・土壌環境
キーワード NOx | 光化学 | 酸性雨 | 大気汚染 | 森林 | ドイツ連邦環境庁 | UBA | 農業 | 窒素化合物 | 工業
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