オランダなどの科学者ら、世界の気温上昇を1.5℃に抑える方法をモデルで検討
発表日:2018.03.06
オランダ環境評価庁(PBL)の科学者らで構成する研究チームは、パリ協定が目指す「今世紀末までの世界の気温上昇を1.5℃に抑えるよう努力する」という目標を達成するシナリオを、コンピューターモデルを用い、社会経済的状況や技術・資源の条件も考慮して検討した。その結果、温室効果ガスの排出量が2030年よりかなり前に減少に転じ、エネルギー使用量が減少し、ネガティブエミッション(大気中CO2の除去)を実施するならば1.5℃の目標は達成可能となることが示された。このシナリオでは、バイオエネルギーなどの再生可能エネルギーの利用が大幅に拡大して2050年までに発電量全体の60~80%を占め、従来型の石炭使用は2040年までに現行水準の20%を下回るまでに減少する。さらに炭素回収貯留を伴うバイオエネルギー使用(BECCS)や新規植林・再植林などで大気中のCO2を除去する。一方、大きな社会的・経済的格差、化石燃料の大量消費の継続、短期的気候政策の不足を考慮したシナリオでは、1.5℃目標には到達しなかったという。
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