2019年サーキュラリティ・ギャップ報告書、循環型経済は気候目標達成の鍵と報告
発表日:2019.01.22
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)によると、循環型経済への移行はパリ協定の目標達成に大きな役割を果たすとする「サーキュラリティ(循環性)ギャップ報告書2019年版」が、世界経済フォーラム年次総会で公表された。これは国連環境計画(UNEP)などが支援する団体、サークル・エコノミーが公表したもので、それによると、現在世界経済には鉱物、化石燃料、金属、バイオマスを合わせ年に928億トンの資源が投入されているが、このうち再利用されるのは9%にすぎないという。一方、温室効果ガス(GHG)を多く排出するのは新たな資源の採取から加工、製造までの過程であり、世界のGHG排出量全体の62%を占める(土地利用と林業を除く)。原材料の使用は1970年から既に3倍に増加しており、2050年までにさらに倍増すると予測されるなか、サークル・エコノミーの報告書は、資源の採取から廃棄への直線的な経済から、長寿命設計、修理、再利用、リサイクルなどを通じて、既にある資源を繰り返し活用する循環型経済への移行を進めるべきだと各国政府に呼びかけている。